電子ピアノで練習している人がグランドピアノを弾きにくい理由

こんにちは♪下呂市ピアノ教室/きたはら音楽教室主宰の北原です。

 

保護者様や生徒さんから
ご質問があり
Instagramでシリーズ4まで
書いていた内容をまとめて、
noteに書きたいと思います。


 

「家では弾けていたのに、
ホールではうまくいかなかった」

「レッスン室のグランドだと、
弾くにくい、上手く弾けない」

 

 

電子ピアノで練習している人が、
グランドピアノを弾きにくい理由
これは、努力不足でも
才能の問題でもありません。

 

楽器の違いが、想像以上に大きいのです。

 

 

 

今日は、電子ピアノで
練習している生徒さんが、
なぜグランドピアノを
弾きにくく感じるのか。
そして、どう向き合えばいいのかを
総まとめします。

 


① タッチの違い

ー音が鳴る仕組みがまったく違うー

グランドピアノは、
鍵盤を押すとハンマーが弦を叩きます。



タッチの速さ・重さ・深さで
音色が変わります。

 

一方、多くの電子ピアノは
センサーで強弱を感知し、
サンプリング音を再生しています。
強い・弱いは再現できても、

 

音色が変わるほどの
繊細なニュアンスは限界があります。

その結果
• 指の重みの乗せ方
• 打鍵スピードのコントロール
• 音の芯を作る感覚

が育ちにくくなる場合があります。


② 音の返り方が違う

ーフィードバックの質ー

脳は、弾いた音を即時フィードバックとして学習します。

グランドピアノは、
弦の振動 → 響板 → 空間 → 自分の耳
という物理的な音の広がりがあります。

電子ピアノは、
スピーカーから一定方向に出る音。

この差は、
「音を聴きながら修正する力」
に影響します。

 

とくにコンクールでは、
• ホールの響きに合わせる
• 客席まで音を飛ばす意識
• ペダルで響きをコントロールする

という力が必要です。

これはスピーカー音では
育ちにくい部分です。


③ ペダルの精度

グランドピアノのダンパーペダルは

踏み込みの深さで響きが
微妙に変わります。

絶妙なペダルの踏み具合、踏み替え、
残きのコントロール…

電子ピアノにもペダルはありますが
段階的なスイッチ式のものも多く

本物のペダリング感覚とは異なります。

コンクール課題曲で差が出るのは、
まさにこの部分です。


④ 音量のスケール

グランドピアノは
pp から ff までの表現の振り幅が
非常に大きい‼︎

電子ピアノでは、音量は出ても
音色の変化や倍音の広がりが違います。

だからホールで弾くと、
• 客席まで音が飛ばない
• フォルテが浅くなる
• 逆に叩きすぎる

という現象が起きます。


⑤ 脳科学的に見ると

(指の)運動は、
感覚からの情報によって学習されます。

触った感覚、聞こえる音、
そして指や腕の動きの感覚。

こうした情報を頼りに、
脳はこの動きを覚えていきます。

だから楽器が変わると、
体に入ってくる情報も変わります。

すると、
同じ曲でも体にとっては
別の運動になるのです。

だから本番前にグランドピアノでの
練習が必要なのです。

これは才能ではなく
神経回路の問題です。

では、電子ピアノでは伸びないの?

→いいえ。そんなことはありません。

電子ピアノには、
• 時間を選ばず練習できる
• 繰り返し量を確保できる
• 基礎反復ができる

という大きなメリットがあります。

だからこそ、教室では
• 音の方向性
• タッチの質
• ペダリングの感覚
• 響きを聴く耳

を、必ずグランドピアノで育てています。

家で量を積み、
教室で質を整える。

この両輪が大切です。

とくにコンクールは、

曲が止まらず弾けることが目標ではありません。
• 音色
• 響き
• 立体感
• 音のニュアンス

ここで差がつきます。

電子ピアノ練習が悪いのではなく

それだけで仕上げようとすること
が危険なのです。

だから私は、本番環境を想定した練習を大切にしています。

最後に

家では弾けていたのに…は
あなたの努力不足ではありません。

楽器の違いは、想像以上に大きい。

でも、

量を積んできた人は、必ず対応できます。

なぜなら脳は、
繰り返しによって必ず書き換わるから。

だから焦らなくていい。
でも、本番前の準備だけは甘く見ないでほしいなと思います。

音は、環境で育つ。

そして私は、
結果を左右する環境まで含めて
アドバイスできる講師で
ありたいと思っています。

(だからこの記事を書いています)

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